NPO産業技術活用センターの概要



設 立 趣 旨

 わが国の産業競争力の低下、中小企業創業率の低下が唱えられて久しい。また、民間部門における多額の研究開発投資が経済発展に有効に寄与していないことも指摘されている。
 この課題解決方法の1つとして、産学官が連携した技術等経営資源移転交流、即ち、経営資源の流動化を基調としたイノベーションとスピンオフベンチャー創業による経済活性化策が考えられる。
 このシーズ供給元として大学の技術シーズへの期待があるが、これが役立つには少し時間がかかるし、もともと大学はユニークな発想を特徴とし、元気な民間企業との連携の下に力が発揮できるという特性を有する。
 他方、わが国は大企業に多くの経営資源が集中しており、大企業中心主義の経済運営が行なわれてきた。そして、この数年は大企業においても、競争力の低下―リストラの進行―研究開発力の劣化の収縮サイクルが進行しているのが現状である。
 そこで、設立者らは、これまで、大学に替わる実用的シーズの供給元としての大企業に期待し、そこにある事業化されない技術等の経営資源を中小・ベンチャー企業に移転し、前記大企業の収縮サイクルを拡大サイクルへと転化させ、中小・ベンチャー企業のイノベーション、新事業・スピンオフベンチャーの創出を図り、わが国全体の経済活性化につなげることを目論み研究調査を行ってきた。
 ところで、大企業からその経営資源の受け皿となり中小企業等に移転する際の支援機関については、現在、技術評価、ベンチャー支援など個々の機能を有した機関が独立して存在するもののワンストップサービス的総合受け皿機関はない。同時に、現在大企業に偏在していて、活用されないで終わる知識、技術、サービス、人材及び知的財産等の経営資源を有効活用できるシステムを作り上げることは喫緊の課題である。
 設立者らは、平成15年1月から「スピンオフ研究会」を組織し、同年10月から「技術移転研究会」に改組し、前記研究調査活動を実施してきたが、この度、前記受け皿機関の現状に鑑み、これら活動の成果をふまえ、これを実践に移す事業を企図するに当たり、ともすれば、研究会構成員相互間だけで限定的であった活動をさらに広く社会全般に普及啓蒙・情報提供するなどの社会貢献活動へと発展・拡大させると共に同研究調査成果の事業化に対応するための会員の叡知の結集、事業推進財産の確立及び社会的信用確保の必要から、中小企業等の再生やスピンオフによる創業を計画支援する企業及び有為の技術者等人材に対して、大企業等に埋もれる経営資源の移転・流動化及びその活用に関するための研究開発を行い、その成果を産学官の結集により広く実社会全般に提供し、これを利活用させ、併せて創業支援等の事業を行い、もって、わが国産業の活性化及び経済振興による国民生活の向上に著しく貢献することを目的とする特定非営利活動法人を設立することとした。

理事長 遠藤 誠 (日立国際電気相談役)
理事 野尻昭夫 (早大理工学術院客員教授)
理事 東出 浩教(早大MBA教授))
理事 梅原潤一 (アルプス電気取締役)
理事 三好秀和 (三好内外国特許事務所会長)
理事 中村裕一郎 (富士通(株)経営戦略室 室長代理)
理事 木嶋 豊 ((株)アイピーアライアンス社長)
監事 石綿 宏 (ASMLジャパン(株)代表取締役社長)

登記上の主たる事務所  東京都品川区南大井六丁目17番17号


当センターの事業


1)メンター事業:経験を有したメンターは経営者の先達として、メンティーに対して大局的な観点からの助言や精神的な支援を無償で行います。ベンチャー・中小企業の経営者に高い志、大きな構想力と実行力を引き出します。

2)ベンチャー予定者への支援:ベンチャー予定者への誘導セミナーを行いながら、社内ベンチャーや、ベンチャー予備軍への教育支援、ビジネスプラン作成支援などを行います。コンサルタント派遣も行います。

3) 事業評価:技術と市場性の両面から、事業性を評価します。技術は、独自の評価手法を用い、市場性は専門家による多面的検討を加えます。主として調査時間により、2種類の評価レベルがあります。

4) 技術移転による事業創出:企業から提供頂いた技術を、事業化に最適な中堅・中小企業に紹介し、技術移転(人材の移籍を含む)の支援を行います。場合によっては、ベンチャー創出を計ります。
中小企業への定期的な技術移転見本市も計画しています。

5) 特許の評価:企業にある特許を、専門家として評価します。特許を活かすことが大事です。企業の将来のコア事業のために残すべきもの、処分すべきものを明らかにし、処分すべきものについては、ライセンス先を提案します。

6)必要資源の調査と斡旋:企業のニーズに応じて、技術、特許、人材等の探索を行います。その結果その資源が必要という場合は、他社と交渉し、入手の交渉を行います。
 
7)その他:産学連携や大学技術調査など各種ご相談に対応します。